なんてことを言う人がいますが、実際は才能、資格、適正などなど、様々な審査を乗り越えてはじめて希望をかなえられるわけです。それらをオーディションに例えてお話を作ったのがこの物語です。
オーディションには筆記試験のように合否判定の基準が明確なものもありますが、それが全てではありません。審査員の好き嫌いで、合否が決まるオーディションもあるからです。だから、人生には運も必要なわけです。
夢、希望、憧れなどが全く無い人っていないと思います。ですから、誰もがオーディションを受けているはずなので、この物語にはすんなり共感できるんじゃないかなぁ、と思いました。
題名は本の内容をストレートに反映したものですが、表紙に違和感を持ちました。表紙には優しそうな女性(主人公)がシロツメクサ、ワスレナグサ、ハルジョオンといった野の草花を手にして立っています。控えめな女性を連想させますが、彼女は自分の意思をハッキリと発言できる人間です。嫌なものは嫌と言うし、ときには他人の人格を否定するようなことも平気で言います。私は彼女を性格のきつい女だと思いました。
家庭や職場でそういった人からストレスを受けている人は読まない方が良いかもしれません。
しかし、ズケズケとものを言う人間が必ず幸せになれるかというとそうならないのも人生の不思議な所です。この物語でもすべてが丸く収まって終わってないので、主人公の失敗から学ぶこともあると思いました。