新聞の悩み相談を読んでいたら、
「私はスーパーの店員です。接客業ですから丁寧な対応を心がけていますが横柄な老人が多くて精神的な苦痛となっています」
という投書がありました。
私もスーパーでたびたび店員に横柄な態度をとる老人を目にしていたため、私の周りの問題じゃなく、日本全体で問題になっているんだなと思いました。
しかし、55歳の私は老人の気持ちも少し分かるんですよねぇ。
私が社会人になった1991年、私が配属された職場では定年間近の先輩が仕事でソロバンを使っていたんです。彼は大学を卒業してから50代後半になるまでソロバンを使って仕事ができたんです。若い時に身に着けた技術で、ず~っと食べることができたんです。
現役時代を昭和で終えた人たちというのは、そんな変化のない時代を生きた人たちなんです。その人たちの気持ちを想像したら少し分かることがありませんか?
むかしむかしの老人は自分の人生経験を若者に聞かせることができました。若者もまたそれで有益な情報を得ることができました。幸せな時代です。
ところが、ソロバンを使って働いて定年を迎えた人たちは今どうでしょう?若者に伝えられることなんて何も持っていません。社会からまったく必要とされていないのです。
孤独で何の変化もない毎日を過ごす老人が社会に不満を持つのも分かってもらえるでしょうか?IT革命が彼らをリアル浦島太郎にしてしまいました。
そのうち、無敵の人になる老人が出るかもしれないな、と私は危惧しています。