億男

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川村元気、マガジンハウス
☆☆☆
想定外の事件から3千万円の借金を背負い込み、経済的問題から家庭崩壊に至った男が、宝くじで3億円を得て、お金と幸せの関係について考える冒険をするお話です。

 

読みやすい本なので、ネタバレするようなことは書きません。急に金持ちになった男が何を考えるかに興味がある方は読んでみると面白いはずです。

 

私が、読んでいて面白かったことの一つは、偉人たちが残したお金に関するつぶやきがたくさん収録されていることです。その一つに、

 

【貨幣とは、奴隷制度の新しい形だ】 トルストイ

 

というのがあって、その通りだと思いました。

 

ちょっと前に、仮想通貨の誕生を理由に、これからはお金のために労働する必要はなくなる、という夢物語が書かれた本がベストセラーになりました。

 

お金がないことで自由を奪われて、苦しんでいる人が何億人もいるというのに、そんな馬鹿な話があるか、と私は思ったのですが、世の中にはお金の使い道に困っている人がたくさんいるようで、本屋で平積みされてよく売れていました。

 

断言しますが、百年後の世界でも今と同じように人間は生活するために望まない労働に従事しています。非常識な説をぶち上げて世間の注目を集め、本を売りさばく輩が後を絶ちませんが、賢い皆さんは、そんな本を購入することでペテン師の財布を潤すことがないようにしましょう。

 

お金で幸せになれるかについては、主人公と皆さんが一緒に考えていただくとして、私の経験からお金について言えることは、

 

【お金は、不幸を回避するのに役に立つ】

 

ということです。

 

ツレとの共同生活が苦痛でしかなくなったとき、速やかに離婚できたのは公務員として働き、安定した収入があったからだし、ヒステリー上司に毎日のように怒られてうつ病になったとき、役所を辞めることができたのは20年続けた給料天引き貯金があったからです。

 

お金だけで幸せになれる保証はないけれど、お金は、ないよりはあった方がイイことは確かです。