新聞を読んでいたら、過疎に悩む村の村長さんが、コンサルタントに依頼して、打開策を考えてもらったところ、
『そんなこと、あんたに言われなくても分かっているよ!』
と思うような提案しかしてもらえなくて、がっかりしたとありました。
「あぁ、また別の場所で悲劇が繰り返されたか」
というのが私の感想で、それなら私の経験をブログに書くことも意味があるかもしれないと考えるようになりました。
①目からウロコが落ちるようなアイデアは出ません!
依頼者はコンサルタントに依頼する前に、充分な時間をかけて困っていることについて考えたハズです。その中で、問題解決のための常識的な対策案は出尽くしています。だから、依頼者はコンサルタントに問題解決のためのウルトラCを要求しているのですが、そんなものはコンサルタントの口からは出てきません。世の中にうまい話なんて無いという当たり前のことを思い出しましょう。
②高い!
役所で高価な買い物をするときには競争入札をすることになっているので、私も規則に従って入札をしました。その結果、5社が入札し、最も安いPWCという外資系コンサルタント会社に落札されたのですが、週に1度、2人のコンサルタント職員が3時間の会議に参加するという契約で、月80万円のお金を払っていました。会議で使う資料作成なんかもありますから、週1日2人を拘束しているとしても、私は高いなと思っていました。
③ドライ!
契約にシビアな外資系だったからかもしれませんが、少しでも無理なお願いをすると、契約書を持ち出して、追加料金を要求してきました。明らかに契約違反ならばこちらも納得できますが、グレーな部分も多く、貴重な会議時間を契約書の解釈について話し合うという無駄なことに随分と費やしました。この話し合いでは、双方の主張が平行線に終わって、コンサルタントは100%対応しないという結果に終わりました。また、私たちのプロジェクトは失敗に終わるのですが、敗戦処理のさなかコンサルタントとの契約が終了し、その翌日から彼らとは一切連絡がつかなくなりました。私は焼け野原に放り出されたような気分になったものです。
じゃ、コンサルタントにはなんの利点もないのか?と問われれば、私は以下の点が思いつきます。
ア)資料を作るのが上手
困っている人の多くが、それを人に説明できるような書類におこしていないと思うのですが、コンサルタントは依頼者にインタビューし、それを綺麗な資料にしてくれて、可視化してくれます。
イ)プレゼンが上手
人前で流暢に喋るのもコンサルタントの仕事なので、彼らはプレゼンが上手です。当事者説明会なんかに使えばうってつけです。
ウ)人が変わると、相手の受け止め方が違う
画期的なアイデアは出さないコンサルタントですが、人に会って知識を販売することを生業としているので、良い身なりをしています。同じコトを言っても、人が変われば、相手の受け止め方が変わるということは良くありますよね。私は仕立ての良いスーツを着た彼らを理事長や理事といった頭の固い連中を説得するのに使ってました。これが、結構効果的で、私のことなんかハナから馬鹿にしている連中がコンサルタントから説明されるだけで、首を立てに振るのには拍子抜けしたほどです。
まぁ、一番大事なことは、
《世の中に、うまい話なんてない》
という当たり前のことを肝に銘じて、それでもコンサルタントを雇いたいなら、そうすれば良いということです。コンサルタントさえ雇えば問題が全て解決、というような過大な期待を持っていると、高いお金だけとられて、悔しい思いをします。