かつて通っていた合奏教室のお金持ち有閑マダムから、
「面白いお話をする人がいるから、一緒にお茶でも飲みながら聞いてみない?」
と誘われました。こっちは伊達に無職やってないので、
「予定なんかありません。日時が決まったらお知らせください。」
と快諾し、お話を聞いてきました。
面白い話をする人というのは、聞いたこともない投資コンサルタント会社の男性でした。
そして、その話というのは預金封鎖に関する話でした。
新札の流通開始と同時に預金封鎖して、財産税を全国民にかけて、国の借金を一気に清算するというものでした。
世間にはお日様の下には出せないお金をたくさん持っている人や、国も銀行も信用していない人がいて、そういった人はタンス預金をしています。タンス預金は政府からするとブラックボックスで、誰がいくら持っているか分からなくなっています。
ですが、新札が流通し始めるといずれ旧札は市中では使えなくなります。だから、旧札を銀行へ持っていって新札と交換しなければなりません。
そうすることで、ふだんは政府が正確に把握していない国民の財産を正確に把握することができるようになります。そして、そのタイミングで預金封鎖し、財産に直接税金をかけるのです。これを財産税と言います。
財産税が実施される可能性はゼロではありませんが、事前に庶民に情報が漏れることはありません。財産税の実施が予告されたら、国民はパニックになり、預金は一斉に引き出され、円をゴールドやドルに交換して安全な所に隠してしまうからです。もちろん、円は大暴落です。
また、投資コンサルタントは、
「2024年に預金封鎖は必ず起こるから財産税を回避するために対策をする必要があります。ついては、私たちと業務提携している仮想通貨取引所を通じて政府が追跡できない仮想通貨へ財産を移しましょう。」
と言うのです。もちろんタダではなく、手数料を払ってです。すごく胡散臭いです。
たしかに日本政府はものすごい借金をしていて、国民の財産を正確に把握して財産税をかけたい願望はあるのでしょうが、預金封鎖してまでやるかなぁ、と思うのです。
もしも預金封鎖したら、外国から失敗国家とみなされてしまいます。国家の信用がなくなり、円は暴落します。国債の格付けも投資不適格になり誰も買わなくなるでしょう。
こうなると、とても短期間で物価が何倍にも上がり、日本人の生活レベルは1960年代レベルまで下がると思います。いくら今の政治家や官僚の頭が悪いとはいえ、そんなことするかしら、というのが私の感想です。
たしかに、お金持ちのなかには衰退する日本に見切りをつけて生活の拠点を外国に移す人が増えているように感じられますが、2024年に預金封鎖が実施されるなんて未来を信じる人がいるのでしょうか?
日夜、私の知らない所で様々な投資案件が語られているものだと思いました。