阿久井真、小学館
☆☆☆
1巻は、感じの悪いライバルの登場で終わっていたので、2巻はオケの中でのポジション争いがメインのヒリヒリした話になると思っていたのですが、違ってました。
楽団内ばかりか、学園生活全般まで網羅した人間ドラマ重視の正統派学園部活漫画になってました。
それにしても舞台になっているオケは凄いメンバーですよ。なんたって、コンクールで学生日本一になったバイオリニストが2人もいるんです!
そんな2人が、《この人、上手だな》と思う先輩がさらにいて、私は、
『こんな学校、ミラクルだよ!』
と思いました。たぶん、有名な音楽高校でもこんなに濃くないと思います。
そして、上手な子ばかりでなく、下手な子にもたくさん紙面をさいているのが好印象でした。
音楽はスポーツではないので、優劣がハッキリわかるわけではないのですが、合奏すればスグにメンバーの序列が分かります。
自分の方が下手だとわかった後で、合奏するのは劣等感を感じて嫌なものなのですが、さらに指揮者やパートリーダーからダメ出しされると辛いんですよねぇ。
コンサートマスターやパートリーダーは、才能がないとなれないので、普通の人はそんな中で、ず~~~っと、辛抱しながら練習していかなければならないのです。打たれ強さとか、鈍感力が必須な世界なのです。
才能がないけれど、《音楽が好き》って気持ちだけでオケを続ける子たちの姿をこれからも描き続けてもらえたらいいなと思いました。