朔ユキ蔵、小学館
☆☆☆
小津晃太郎(25)が3年間の会社員生活から転職し、教師になって高校に赴任するところから物語が始まります。
新人教師の晃太郎の教育係になったのが、原多香子(32)。多香子がクラス担任、晃太郎が副担任という関係でスタートした二人の仲が物語が進むにつれて錯綜した男女の関係になっていきます。
お互いを意識し合う二人ですが、晃太郎には婚約者がいて、多香子は同じ高校の妻子ある男性教師と不倫をしていた過去があります。
【二人が迎える結末はいかに?!】
というお話です。
男女の関係が入り組んでいるわりには、憎しみの感情をあらわにするキャラクターが一人も登場しないので、ハラハラせずに読むことが出来ます。ですから、ドロドロしたバトルが苦手な人にも安心です。
それよりも、物語の中心におかれているのは、32歳独身という多香子の孤独です。作中では、多香子が寂しい気持ちを独白するシーンが何か所もあるのですが、同じお年頃の独身女性なら、セリフが胸に沁みること間違いなしです。アラサー独身女性にとくにお勧めの漫画です。
一人でも充実した日々を送って歳を重ねていく人もいますが、結婚適齢期と言われる時期には生涯の伴侶を得たいと思うのが自然ではないでしょうか?そんな時期に良い出会いもなく、32歳になってしまった多香子の焦燥を感じ取ってあげてください。
【寂しい】って気持ちから、新興宗教、お酒、ギャンブル、不倫、ドラッグ・・・などなど、に手を染めて破滅する人が後を絶たない人の世ですから、このテーマは不滅で重大なテーマであることは確かです。