原田ひ香、集英社
☆☆☆
《東京ロンダリング》の続編です。前作の登場人物たちが登場するので、《東京ロンダリング》を読んでから、こちらを読むことを勧めます。ちなみに、《東京ロンダリング》を面白いと感じた人は、絶対に読みましょう！期待を裏切らないはずです。
《東京ロンダリング》は、アラサー女子が転落人生から不思議な縁を頼っていくうちに心身ともに再生していく物語でしたが、こちらは短編集になっていて、８人の人物と事故物件にまつわる話になっています。
各短編で主人公になる人々は、社会の底辺を生きる人々ばかりで、けっしてテレビや新聞では取り上げられない人生を送っています。
ただ、ここに書かれていることは大都会東京の真実で、今、地方に住んでいて、東京に憧れを抱いている若者たちには、東京に出て来る前に知っておいてもらいたいことばかりです。
東京と言う街は、何をするにもお金がかかり、そのため、お金がない人にとっては砂漠にいるのと変わりません。そんな砂漠で、お金のためにたくさんの我慢を強いられる人々の姿に、私は共感しました。
お金が尊いのは、それを十分に持っていると自由を得られるからなんですよね。そのことが、この本を読むとよ～く分かります。
