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1933年に神奈川県のお金持ちの家に生まれ、深窓の令嬢だったリョウコさんが、両親の反対を押し切り、勘当同然で縁もゆかりもない北海道へ移り住んで、札幌市民交響楽団の設立にヴィオラ奏者としてかかわります。
親からの経済的援助が望めず、結婚した男性とは早くに死別され、残された子供(=ヤマザキマリさん)と生きていくため文字通り大車輪で働く姿を描いたノンフィクションです。
しかし、貧乏であっても暗い感じはまったく受けません。それは、大好きな音楽で食べていけることの喜びをリョウコさんが全身から発散し続けるからです。それは、
【好きなことをやり続けることが何よりも優先される】
という強烈なメッセージになっています。
自分では何もできなかったご令嬢がいかにして破天荒な母親になっていったのか、この本を読めば分かります。
現在、子育て真っ最中の働くお母さんたちにぜひとも読んで欲しい本です。きっと、元気と勇気をもらえるはずです。