うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

あの人が同窓会に来ない理由

はらだみずき、幻冬舎文庫

☆☆☆

物語の始まりは中学校時代の同窓会から始まります。参加者は35歳です。だから、20年ぶりということになります。

 

しかし、集まりが悪くて参加率が4割くらいです。そして、次の幹事に主人公の宏樹が決まってしまいます。

 

幹事は男女1名ずつで構成されているのですが、女性幹事の斉藤さんが出席率を上げることに熱心なため、宏樹も渋々、同窓会に来なかった人を次の同窓会に誘う運動を始めます。

 

不参加だった人たちの行方を調べることは、中学生だったころ、そして、卒業後の彼らの人生を辿っていくことに他なりませんでした。

 

クラスの人気者、優秀な委員長、落ちこぼれ、憧れていた女子、、、などなど。

 

中学生だったころを思い出したり、現在の状況に驚いたり、と思いがけないことが次々と分かります。宏樹は、あの頃も、今も、自分の知らないところで色んなことが起こっているとしみじみ思います。

 

教室の中にはスクールカーストというものが存在していて、最下層の人たちは同窓会に来ないのですが、そのことを私は仕方がないと思います。しかし、宏樹の友だちが、その人たちにあきれて、

 

「20年も前のこと今でも根に持ってるわけ?」

 

と言うのですが、私は、

 

「中学生という多感な時期にクラスの最下層にいて馬鹿にされたことは一生消えない心の傷になる」

 

と思うのですが、みなさんはどうでしょう?

 

1年という時間、同じ教室で過ごした人間が20年経つとまったく別々の人生を歩んでいる。つくづく、人生って不思議です。