うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

孤独は辛いが、クズと繋がると破滅する

鹿児島市に天涯孤独の人たちが集まって助け合う互助会があります。それをNHKが取材して1時間番組として放送しました。

 

54歳で独身、子供なしの私は孤独な老後確定なので、その取り組みに希望を感じて見ることにしました。

 

この互助会を語るとき、Uさん抜きには語れません。だから、NHKもUさんを主人公として撮影することで、互助会の活動を紹介していました。

 

Uさんは大阪で会社を経営していました。部下が会社のお金を使い込み蒸発したため会社は倒産しました。妻子があったのですが、貧乏が原因で離婚します。子供は妻に引き取られ、一人になったUさんが流れ着いた場所が鹿児島市です。Uさんはホームレスになります。

 

コンビニはある決まった時間になると賞味期限切れの食品をお店の外へ出すそうです。ホームレスはそれを知っていて取ってくるのですが、あるホームレスが収穫物をUさんに分け与えてくれたそうです。Uさんは、こんな境遇に堕ちた人でも他人に優しくできることに感動し、生きる希望を取り戻しました。

 

Uさんはホームレスの支援団体に援助を求めて自立に成功し、天涯孤独な人たちに声をかけて回る活動を一人で始めます。始まりは数人のグループでしたが、噂を聞いた人や、仲間が声をかけた人が集まって今では百人を超える互助会になりました。

 

さて、活動内容ですが、鹿児島市内の空き家を借りて週一で会合を行う以外はゆるやかな活動にとどめています。義務としての活動が増えると参加をためらう人がでるからです。参加費は月に3百円。

 

居場所を提供するだけにとどまらず、毎日ラインでメンバーの安否確認をしたり、生活保護の申請を手伝ってあげたり、病院へ付き添ってあげたり、買い物難民のお年寄りの御用聞きなど、私の気持ちが明るくなるような話が番組の前半で放送されました。

 

互助会では希望する人で年に一回、旅行をしていました。そのために月2千円積み立てをしていて、ある男性にお金の管理を任せていました。旅行当日、男性はお金を持ってくるのを忘れたとUさんに打ち明け、帰ったら返すから立て替えてくれと頼み、Uさんはお金を立て替えました。ところが、男性は旅行から帰ると互助会に現れなくなります。Uさんと互助会のメンバーで大家さん立会いの下で男性のアパートへ踏み込むと部屋はもぬけの殻でした。

 

旅行の様子も放送されていたので参加人数がだいたい分かるのですが、20人くらいだったと思います。

 

2万4千円×20人=48万円

 

くらいでしょうか、これっぽっちのお金を持ち逃げしたところで半年も生活できないと思うのですが、クズは小学生でもできる計算ができません。

 

その事件の数週間後、また問題がUさんに降りかかります。病気をした男性が入院しました。入院するには保証人が必要です。Uさんは保証人になります。入院した男性はそのまま亡くなりました。男性の財産をすべて処分しても入院費を払えなかったので、Uさんが払うことになってしまいました。

 

そして、このころに大量の脱退者が出ます。理由は、会に参加してもつまらない、というものでした。

 

Uさんを支えるNPOの代表が、

 

「何の制約もなく集められた人たちの間で気が合う人と巡り合うことが奇跡だと思うこと。そのくらいの気持ちで参加してれば失望することもないから。」

 

と訴えていましたが、Uさんはリーダーを続ける自信を失います。

 

後日のミーティングで、

 

「私はリーダーを辞めたい。互助会からも距離を取りたい。これからは気の合う仲間同士で小さなグループを作って助け合ってください。」

 

と言って、互助会を離れてしまいました。

 

このように番組後半は私の気持ちが暗くなる事件が続きました。そもそも何かしら問題を抱えた人たちだから天涯孤独になってしまったわけで、そんな人たちの面倒を百人も見ようとしたら心とお財布に大きなダメージを受けるのは当然です。Uさんに頼りすぎた互助会の仕組みがいけなかったのだと思います。

 

この番組を見たせいで、孤独な老後確定の私の気持ちはかえって暗いものになりました。なんの解決策も番組から提示されなかったからです。

 

番組から私が感じ取った教訓は、弱い人と弱い人が一緒になっても共倒れになるだけという厳しい現実でした。私のような人間は、孤独を友として生きていくよりなさそうです。