加納朋子、幻冬舎
☆☆☆
物心ついたときから、幽霊が見えてしまう少年ユウスケと不思議な少女ハルヒの物語です。
幽霊が見えてしまうユウスケですが、母親がそんなユウスケを「うらやましい」と言いながら育てたおかげで、ユウスケは幽霊を少しも怖がらず、生きている人と同じように話しかけることができる少年になりました。
しかし、ユウスケはこの能力について他人に話すと胡散臭い目で見られることも学習していて、秘密にしています。それなのに、ユウスケの前に突然現れたハルヒはユウスケの秘密を知っているみたいです。
ハルヒはユウスケの能力があることを前提に助けを求めてくるのですが、心優しいユウスケはハルヒに協力を約束します。
この世に心残りがあるため、成仏できずにいる幽霊をハルヒとユウスケが協力して助けてあげます。そんな心温まるお話が6つ納められています。
一件落着するとハルヒは跡形もなくユウスケの前から姿を消してしまい、数年後に問題を抱えたハルヒが再び現れるという流れになっているので、2人が少しずつ成長していくさまも楽しめます。
最後にハルヒの正体が明らかになるのですが、幽霊のほかにさらに超常現象がプラスされた結末になっているので楽しみにして下さい。