深沢潮、徳間書店
☆☆☆
題名と装丁が内容と合っていません。
東京世田谷区にある、家賃三万円の女性専用底辺シェアハウスに集まった6人の物語です。
世田谷区で家賃三万円なので、とてもポンコツなシェアハウスです。そんな場所に身を寄せる若い女性は訳アリなのです。
ただし、自業自得と思われるのは一人だけで、ほかの五人は運が悪いとしか言いようがない人生をたどった結果、ポンコツシェアハウスで暮らしています。
六人がシェアハウスにたどり着いた物語が6つの章になっています。一つあらすじを紹介すると、
中国から技能実習生として日本に来たけれど、パスポートと携帯電話を取り上げられて奴隷のように働かされたあげく、雇い主から強姦されて妊娠し、その上さらに暴行を受けて流産、このままでは殺されると感じて職場を脱出、シェアハウスに流れ着く。
と言った感じの話ばかりです。
ほのぼのとした本の題名、装丁をみごとに裏切る内容となっております。
でも、私は最後まで読みました。世間には、他人を踏み台にして自分だけ良い思いをし、少しも良心が痛まない人間が一定数いるし、一度社会のレールから外れると元に戻るのはとても難しいというのが、この本で勉強できるからです。
【人を見たら泥棒と思え】
くらいの用心をしてないと渡世はできません。