うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

メガバンク銀行員ぐだぐだ日記

目黒冬弥、フォレスト出版

☆☆☆

みずほ銀行で2022年9月現在も働いている人物が銀行の内部について暴露した本です。

 

ただし、作者の目黒さんは定年間際の現在、支店の課長というポストで働いているため、半沢直樹のような本店内での熾烈な出世競争とか、国際金融市場を相手に数千億円を動かす華やかな仕事などにはまったく関係していません。出世競争に敗れ、入行以来、みずほ銀行の兵隊として働いてきた人物です。

 

そのため、この本の良さはまだ夢も希望もある20~30代には分からないと思います。

 

巨大組織でサラリーマンを続けていると、40歳あたりから自分がどの辺まで出世できるか分かってくると思うのですが、もし、あなたが、

 

「定年までいても私は幹部社員になれない」

 

と感じているなら、この本を手にすることを勧めます。

 

人間は、得したことよりも損したことを強く記憶するそうです。また、ロシアのことわざでは次のように言っています。

 

《苦しいことは六日ごとにやってくる。喜びは百日おいてやってくる。》

 

以上、2つの理由から長く生きていると損した記憶がたくさん、得した記憶がちょびっと記憶されると私は思っています。

 

この本の構成がまさにこれを反映していて、みずほ銀行で兵隊として味わった負の経験が8割、うれしかったことが2割くらいの比率で書かれています。

 

私も公務員としてたくさんの理不尽な経験をしてきたので、どこの組織も同じような物だな、と思いながら読ませてもらいました。

 

巨大官庁や大企業で働いている40歳以上の兵隊さん、または、かつて兵隊さんとして働いていた方が読めば同志を得た気持ちになれます。

 

順調に出世されて、将来は幹部への登用が確実な方や現在幹部だという方には不必要な本です。そういった方は、この本の存在など忘れ、引き続き我が世の春を謳歌してください。