うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

猫付き平屋でひとやすみ

黒田ちか、宝島社文庫

☆☆☆

本の装丁はライトノベルみたいですが、読んでみるとしっかりとした小説でした。

 

デザイン事務所で働いていた勝矢(20代後半)が会社内の人間関係に疲れて会社を辞めて実家のある田舎へ帰ります。

 

両親はすでに他界していて誰も住んでいなかったので、引っ越しと少々の補修をしたあと生活をスタートさせます。

 

田舎には仲が良かった幼馴染や近所の人たちがいて、生活は順調に進んでいきます。ところが、なんと、実家には勝矢が小学生だったころに家に住んでいた猫がいたのです。いくら長生きの猫でもおかしくない?と気味悪く思っていたところ、神主をしている親戚から猫の秘密を教えられます。子供のころ猫と遊んだ記憶のある勝矢は、猫を嫌いだったわけではないので秘密を受け入れ、一緒に暮らし始めます。

 

しばらく平和な日々が続いたあと、事態が急変します。人間関係が嫌になって辞めた会社から災難が勝矢へ飛び火し、身辺があわただしくなってしまうのです。

 

勝矢は善良だけがとりえのような人間なので、降りかかる災難を上手くかわせそうもありません。しかし、都落ちした故郷には頼りになる人たちと猫がいたのでした。

 

困ったときには独りで抱え込まず、周りの人に頼ってみるのもイイんじゃない、と思わせる小説です。