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主人公は27歳、独身の梨香です。本の表紙に【長編恋愛小説】とありますが、梨香が男性と恋愛するシーンはないので、広告に偽りあり、という感じです。
物語の冒頭で梨香は結婚を考えていた男性と別れて悲しんでいます。そこへ追い打ちをかけるように高校時代に恋人だった男性と高校時代の親友から結婚式の招待状が届きます。
かつての恋人と親友が付き合っていたことを知らなかった梨香はショックを受けます。3人は高校時代、よく一緒に遊んだ仲間だったのです。
「二人はいつから関係があったんだろう」
と疑心暗鬼になる梨香。
ここからお話は過去へ戻って、梨香の高校生時代のお話が始まり、終盤でまた現代へと帰ってきます。
つまり、ザックリ言うなら、失恋した女性が立ち直るお話です。
梨香の生活を読んでいると、現代の女性の結婚は難しいな、と思いました。梨香は結婚を考えていた男性とは同棲してました。また、失意の梨香は恋人でもない男友達に慰めてもらうためセックスします。
現代の女性は、結婚しなくても一つ屋根の下で男と暮らすことが出来るし、恋人でもない男とでもセックス出来るのです。これなら結婚しなくてもいいじゃん、と思うのは私だけ?
結婚を考える女性はこの小説を読んで、【あるある】と共感しながら読んで終わりなのでしょうが、私は、【結婚って何?】と難しいテーマを考えさせられる小説でした。