うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

ニートの歩き方 お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

pha、技術評論社

☆☆☆

2012年に書かれた本なので情報が古いです。

 

本の前半で、ニートになると直面する問題であるお金と孤立の解決方法について述べています。

 

まず、お金についてですが、働かずにお金を手に入れる方法としてセドリ(転売)とブログ運営について書いています。

 

セドリですが、ブックオフやリサイクルショップで相場よりも安く売られている物を買ってネットで転売する方法が紹介されていますが、今はAIが過去の販売実績をもとに値段をつけているので掘り出し物を見つけるのがとても難しくなっています。

 

ブログですが、インターネット回線の高速化にともない、インターネットで人気のコンテンツは動画へ移行してしまい、ブログはオワコンと言われています。

 

phaさん自身も、楽してお金儲けできる方法はすぐに競争が激しくなるので、5年おきぐらいに新しい稼ぎ方を見つけなければならない気がする、と書いています。

 

次に、孤立対策です。孤立対策としてシェアハウスに住むことを勧めていますが、phaさん自身がシェアハウスの運営を止めてしまっています。

 

理由はシェアハウス内で盗難が相次ぎ、住人同士の諍いが絶えないことにphaさんがウンザリしてしまい、投げ出しました。phaさんのシェアハウスはニート専用シェアハウスだったため、金銭的に追いつめられた住人が他人の物を盗んだり、食べ物を無断で食べたりしてしまったようです。

 

phaさんがシェアハウスを閉鎖する様子は、テレビでドキュメンタリー番組として放送されたのですが、ごみ屋敷としか表現できない家で、私があそこで暮らすのは無理だな、と思ったことをおぼえています。

 

前半部分をまとめると、お金の問題解決方法については情報が古くて今では役に立ちません。また、孤立の解決方法として実験的に始められたニートのシェアハウスですが、ニートが何人集まろうとも、その集団の生産能力はゼロかマイナスであったため、失敗に終わったことで現在は存在しません。

 

本の後半は、ニートとは何かみたいな哲学的なことと、ニートが絶滅することはないのだから社会が寛容になり、社会全体でニートを救済する世の中になったら良いな、という希望が書いてあります。

 

ただし、この部分については、僕の考えていることは時代を150年くらい先取りしているので、僕が生きている間には実現しないだろうとphaさん自身が書いています。

 

この本に書かれていることは思考実験としては面白いです。私はつまらない本は最後まで読みませんが、この本は最後まで読みました。ただ、これからニートを目指す若者が実用書として読むには情報が古いのと、ニートに期待しすぎだと感じました。