うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

ずんだもんの貧乏飯ちゃんねるからテレビの凋落を考察する

《ずんだもんの貧乏飯ちゃんねる》というYouTube動画を楽しく視聴しています。

 

チャンネルのコンセプトは、「超低予算、貧弱な調理器具で美味しいものが食べたい」というものです。

 

このチャンネルの良いところは、貧乏なのに暗さがまったく感じられないところです。これまでにも激安食品を試食するチャンネルはあったのですが、標準的な価格の商品と比較して「まずい」と馬鹿にするものばかりでした。でも、このチャンネルの制作者は「おいしい」と言ってモリモリ食べるのが素敵です。

 

これまで見たなかで一番低予算だったのは業務スーパーで買った袋めんを茹でて食べるだけ、具材一切なしです!一食40円未満だったはず。

 

制作者は男性で、料理器具も最初はガスレンジさえなく、固形燃料で煮たり、焼いたりしていて、自宅に居ながらソロキャンプしているみたいでした。

 

料理の技術もなく、超低予算のせいで調味料も限られるためレシピなんてなく、これを見て料理の勉強になるとかありませんが、

 

「料理なんて栄養があって、本人が美味しいと思えればそれでいいじゃん!」

 

と納得させられます。こんなチャンネルを見ていて、

 

「これは地上波テレビじゃ作れないな」

 

と思いました。テレビ局のお客さんは企業です。企業がテレビ局に期待するのは大衆の欲望を煽って消費を喚起することです。お金をかけずに生きる人を扱うのは不可能なのです。

 

ここにテレビが凋落した原因があると思います。日本は経済格差が時とともに開いていき、中間層の人口が減少し、一握りのお金持ちと大勢の貧乏人に分かれました。これが改善される見込みはなく、これからも経済格差は酷くなるでしょう。

 

貧乏人がテレビで放送しているようなグルメ番組を見て共感するでしょうか?少なくとも、無職になってから一日の食費を千円未満にすると決めた私は興味が湧きません。

 

では、お金持ちがテレビを見るかというと、それも難しいのです。昔々、テレビ局の敵はあまりいませんでした。それは電波が有限で参入障壁がとてつもなく高かったからです。しかし、今は違います。インターネットの普及でYouTubeやネットフリックスのような動画チャンネルがたくさんあるからです。

 

お金があるということは、あらゆることにおいて選択肢がたくさんあるということです。お金持ちに動画を見てもらうためには、数あるチャンネルの中から選んでもらう必要があります。今のテレビにその力はありません。

 

中間層が減少する中、お金持ちか、貧乏人に見てもらうよりないテレビ局は、そのどちらにも視聴してもらえない状況に堕ちています。昭和の頃のようにテレビが娯楽の王様だった時代は二度と来ないでしょう。