うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

2014-01-01から1年間の記事一覧

スティーブ・ジョブズを育てる!?

新聞を読んでいたら、総務省が次世代のスティーブ・ジョブズを育てることにしたとありました。ITで奇抜なアイデアを元にこれから起業する人達の中から今年度10人選んで、1人当たり300万円あげるそうです。《奇抜なアイデア》を元にした会社なので失…

鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

朱川湊人、集英社☆☆☆絵描きになるため家を飛び出した主人公と友人の雪華がこの世ならぬ者たちと不思議な巡り合わせをする物語です。いわゆる幽霊というものがお話の中に登場するのですが、けっして恐ろしいものではなく、初めてソレを目にした主人公が驚いて…

幸福ロケット

山本幸久、ポプラ社☆☆☆本を読む楽しみに、他人の人生を体験できるというのがあると思うのですが、読んでいるうちに私まで主人公の身になって小学校生活を送っているような気分にさせる素敵なお話でした。 主人公は小学5年生の山田香な子。読書が趣味で、中…

あすなろ三三七拍子

重松清、毎日新聞社☆☆☆あすなろ大学の応援団は存亡の危機に直面していた。部員がいないのである。事態を打開すべく、OB会幹事長の荒川が自ら経営する会社の社員、藤巻大介(45歳)に対して辞令を出します。 《藤巻大介、あすなろ大学に入学し、応援団に…

初めてバイオリンを買う方へ

私には親しくしていただいているバイオリン職人さんがいて、時々、用もないのにお店に伺っておしゃべりしています。先日、職人さんが 「初心者の人にバイオリンの説明をしても分かってもらえない」 と嘆いていたので、それならば、下手くそだけどバイオリン…

月のうた

穂高明、ポプラ文庫☆☆☆小学2年生のときに母親を亡くした民子が大学に合格して上京するまでのお話です。 お話は《民子》と民子を取り巻く人々である《父親の再婚相手》、《無くなった母親の親友》、そして《父親》を主人公にした短編4つから成り立っていま…

規制や法律は誰のためにあるのか?

小泉元首相とその参謀だった竹中氏が規制緩和を押し進めたとき、私は 「規制緩和って庶民のためにならないんじゃない?」 と懐疑的でした。もちろん、これだけ変化の激しい時代ですから役割を終えた規制や法律もあります。しかし、あの当時は 【規制はすべて…

図書室のキリギリス

竹内真、双葉社☆☆☆大学生時代にとくにやりたいこともなく、目標も持たず、思う存分キャンパスライフを楽しく過ごすことに専念した主人公(詩織)を『アリとキリギリス』のキリギリスにたとえています。大学を卒業し、冬の季節(=社会人になるということ)を…

旅猫リポート

有川浩、文藝春秋☆☆☆怪我をした猫(ナナ)を助けた縁で飼うことになったサトルですが、よんどころない事情でナナが飼えなくなり、引き取ってくれる人をさがすため、ナナをワゴン車に乗せて旅に出ることになります。サトルは初対面の人に会いに行くわけではな…

人口減少は問題なの?

かつて、都心へ満員電車で痛勤していた頃は、 「なんで、こんなに人がいっぱいなんだ!」 ともみくちゃにされながら、考えていました。なので、日本の人口が減っているという報道に触れると、 「そりゃ、結構なことじゃないか!」 と思うのですが、私のよう…

皇帝フリードリッヒ二世の生涯

塩野七生、新潮社☆☆☆以前より、第六次十字軍を率いてオリエントへ向かいながら、戦闘は一度もしないでエルサレムを回復したフリードリッヒ2世に興味がありました。なぜなら、私が十字軍に対して持っているイメージは 《狂信者の群》 だからです。 第一次十…

夢中になれない

歳をとると初めて経験することが少なくなり、感動しなくなるようです。さらに私の場合、うつ病です。 以前は音楽を聴いたり、バイオリンを弾いたり、旅行をしたり、楽しいと感じることがたくさんあったように思うのです。でも、今はそういったことも楽しいと…

世界でいちばん美しい

藤谷治、小学館☆☆☆以前、このブログに掲載した【舟に乗れ!】を補完するような形のお話です。 【舟に乗れ!】では主人公が音楽高校受験をするところから、高校卒業までが主なお話の舞台になってますが、今回紹介する【世界でいちばん美しい】は主人公が小学…

いとみち

越谷オサム、新潮社☆☆☆高校生になった《いと》には二つの願いがありました。一つは憧れのメイド服を着てみたいということ。もう一つは人見知りを直したいということ。そこで、中学時代には気配を消してビクビク暮らしていたいとが意を決して、本州最北端の街…

けんけつ!

前に住んでいた街には常設の献血所があり、定期的に献血をしていました。ただ、高尚な気持ちだったり、使命感から献血していたワケではなく、私は新陳代謝を促す目的で献血をしていました。健康をテーマにしたテレビ番組を見ていると、よく、 「新陳代謝を活…

天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険

上野誠、講談社☆☆☆奈良時代に当時の先進国である唐へ派遣された役人の数奇な運命の物語です。当時、東シナ海を渡ることは非常に危険な航海でした。そのため、遣唐使に選ばれることを高位の役人(貴族)たちは嫌っていました。しかし、下級の役人たちにとって…

ビブリア古書堂の事件手帖

三上延、メディアワークス文庫☆☆☆物語の中であっても人が死ぬシーンがあったりするのは苦手という人にも読める、人が死なないミステリーです。 古本屋の美人店主(篠川栞子)が古書にまつわる謎を鋭い観察眼と明晰な頭脳で次々と解いていきます。1話完結の…

夜の国のクーパー

伊坂幸太郎、東京創元社☆☆☆私は本を中盤まで読んで、「つまらない!」と思えば最後まで読むのを止めてしまいます。ですが、この本は「いつからおもしろくなるんだろう?」とズルズル読ませ、最後に「そうだったのか!」と思わせます。 物語は妻に浮気された…

ふしぎの家のアルバイト

石和仙衣、講談社X文庫☆☆☆15歳で身寄りをなくした女の子(=岩倉たがね)が生活するためにそれまで住んでいた山奥から独りで東京へ出てきます。しかし、生まれながらのドジっ子が災いしてアルバイトを転々とし、お腹を空かせて街をあてもなく彷徨っていた…

ぼくらが旅に出る理由

山下卓、エンターブレイン☆☆☆『この小説はアニメ化したらいいのに!』 と思いました。もし、アニメ化されれば聖地巡礼で夏の大島を訪れる人がたくさん現れると思います。 仲が良かった姉の死をきっかけに男子中学生コウが衝動的に夏の大島へ傷心の旅へ出ると…

はとの神様

関口尚、集英社☆☆☆虐待を繰り返す母親を持つみなと。浮気を繰り返し、稼いだお金のほとんどを鳩レースにつぎ込んでしまう父親を持つ悟。自分が暮らしている街が嫌いなユリカ。それぞれ、ここではないどこかへ逃げ出したい小学生3人が迷子になったレース鳩を…

ドックイヤー

《ドックイヤー》とは犬の寿命が約10年であることになぞらえて、変化が激しい現代では新しく生まれた技術の価値も10年で失われてしまう、という意味で使われる言葉です。なんで、こんな言葉が頭に浮かんだかと言うと、むかし買った漫画を久しぶりに読み…

ペンギン・ハイウェイ

森見登美彦、角川書店☆☆☆小学4年生の主人公アオヤマ君は思いついたことや、新しく発見したことがあると何でもその場でノートに書き込み、論理的に考察せずにはいられない科学の子です。アオヤマ君には不思議に思うことがたくさんあります。 《町を流れる川…

OSのサポート終了

新聞を読んでいたら、公的機関でまだWindows XPを使っているところがあって、 「マイクロソフトのサポート終了にどのように対処するか決まっていないところがたくさんある」 と記事になっていました。 「お金がない」 なんて理由は仕方がないにしても、 「O…

収入格差は放置してもイイの?

《お金が無い人を相手に政策を立案しても経済の活性化に繋がらない》 なんてことを考える人もいるようですが、みなさんはどうですか? ある一定の期間に1千万円の高級車が1台売れた場合と、百万円の軽自動車が10台売れた場合、どちらも1千万円の消費が…

モンスター

百田尚樹、幻冬舎文庫☆☆☆ありきたりな紹介をするならば、 『醜く生まれた女が美容整形によって美人に生まれ変わり、それまでの人生でできなかったことをする物語』 です。 物語の前半では醜く生まれた女がどんなに惨めな人生を送らなければならないかが、こ…

職人という生き方

高校生になったころ、どうやって生計を立てていくか、ということを考えるようになり、 「物を作って、それが売れたら楽しいだろうなぁ」 なんて思っていました。それなら、製造業かというと今の製造業はなんだか違うような気がしました。ベルトコンベアーの…

お友達からお願いします

三浦しをん、大和書房☆☆☆三浦しをんさんのエッセーです。私はエッセーはあまり読まないのですが、小説だと思いこんで読み始めたところ 「あれっ、これエッセーだ!」 となったしだいです。エッセーには、 「朝起きた→ご飯食べた→夜に寝た」 みたいな、どうし…

働く動機

先日、アルバイトの面接に行ってきました。よく聞かれる質問に、 「志望の動機は何ですか?」 があります。そこは一般の企業に就職できない知的障害者が通う作業所で、募集していたのは指導員補助でした。なので、私は 「人の役に立つ仕事ならやりがいもある…

地方自治と戦国武将

何という題名の本だったか忘れたのですが、司馬遼太郎さんの本に 「日本の歴史上で地方が一番活気があったのは、戦国時代だと思う」 といったことが書かれてありました。そんな司馬さんの本をたくさん読んだせいもあって、私もそのように思うようになりまし…