うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

結婚相手は抽選で

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垣谷美雨双葉社
☆☆☆
日本の人口減少問題を解決するために政府が成立させた法律、

 

【抽選見合い結婚法】

 

を巡っておこる悲喜こもごもを描いた物語です。

 

法律の骨子は
①25~35歳の独身男女を対象とする。
②±5歳の範囲内の異性の中から無作為に選ばれた相手とお見合いをしなければならない。
③2回断ることが出来るが、3回断ると徴兵され、2年間兵役の義務がある。

 

こんなトンデモない法律が施行されたらどうしますか?恋人がいる人たちは、さっさと結婚してしまうのですが、適当な相手がいない人たちは様々な想いを胸にお見合い会場へ向かうことになるのです。

 

この本では主に以下に紹介する3人のお見合いを追うかたちで話が進んでいきます。

 

鈴掛好美(31)・・・看護師。亡くなった父親が酒乱だったため子供時代苦労をしたので、男性に対して警戒心が強い。しかし、子離れできない母親を疎ましく思っていて、この機会に結婚相手を見つけて母親と別居したいとも思っている。

 

冬村奈々(30)・・・お金持ちの家のお嬢様。音大を卒業したけれど才能がなかったので演奏家になる夢を断念。ラジオ局に就職したが、下働きばかりさせられてウンザリしている。買い物と食べ歩きと海外旅行が趣味で、貧乏くさいことが大嫌い。とても美人で男性からいつもチヤホヤされるため、結婚せずに今のまま独身ライフを楽しみたいと思っていたところ、迷惑な法律ができて憤慨している。

 

宮坂龍彦(27)・・・SE。彼女いない歴が年齢と同じ。コンピュータが好きで、休日は電子部品を扱う店に行って部品を買い、家で自作のコンピュータを組み立てている。これまで、女性から好意を寄せられたことがないため、何事にも自信が持てずにいる。この法律のおかげで、女性と接する機会ができたことを喜んでいる。

 

とくに焦ることもなく独身を続けてきた人々が結婚を強制されたとき、どんな反応をするのか楽しんで下さい。