三日月拓、新潮社
☆☆☆
日本のどこにでもある家族の日常を描いた物語です。
父・・・40代、サラリーマン
母・・・40代、専業主婦
長男・・・高校生
長女・・・中学生
父方の祖父母
以上の6人が二世帯住宅で暮らしています。
テレビでは、仲良し家族ばかり取り上げるので、
『よその家はみんな、あんなに仲が良いのかしら?』
と取り残された気分になっている人も多いかと思うのですが、そういった家族が珍しいからテレビで取り上げるのです。それどころか私は、一番身近な他人が家族だと思っています。
この本に登場する家族は仲が悪いわけではありませんが、それぞれ隠し事があります。そのため、この本を読んでいて私は、
『家族なんて、どこもこんなもんだよね』
と思いました。
そして、平穏な家族の営みの中にも落とし穴があって、運が悪ければ家庭崩壊になる可能性だってあるという緊張感が物語を通して伝わってきました。ちょっとだけドキドキしたい人にお勧めです。