うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

青空エール 1~19巻完結

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河原和音集英社

☆☆☆

私は合奏教室に通ってバイオリンを弾いています。なので、音楽を題材にした漫画を読みたくてネットで検索していたら、この漫画を推薦するブログがあって、とりあえず1巻だけ買ってみたら面白く、すぐに19巻まで大人買いしてしまいました。

 

高校に入学するところから、卒業するところまであつかっています。ですから、主人公であるところの女子高生《つばさ》の目線になって熱い高校生活を疑似体験できます。《つばさ》についで登場シーンが多い男子高校生の《大介》は、女子が理想とする男子高校生の一つのモデルです。この点、本作はど真ん中の少女漫画と断言できます。

 

《つばさ》は初心者なのに、吹奏楽で全国大会の常連校の吹奏楽部に入部します。ここで、私が好感をもったことは《つばさ》が天才でないこと。漫画なんだから、初めてトランペットを吹いたけど最初から綺麗な音が出たとか、実は絶対音感があったなんてことがあってもよさそうなのに、そんなシーンは最終回まで一度もありません。このことが、私のような凡人には共感をもたせます。

 

音楽、運動、勉強などなど、どんなジャンルでも挑戦した人の9割は凡人だと思うのです。天才の悩みを描くよりは、凡人が味わう波乱万丈の物語の方が世間の共感をよぶと思うのですが、いかがでしょう?

 

私も音楽教室で先生に何度もペシャンコになるまで指導されましたが、《つばさ》のそれは、常人では絶対に耐えられない逆境の連続です。《つばさ》の最大の長所は打たれ強さなのですが、それでも人の子ですから涙を流して凹みます。でも、そのたびに《大介》が強力に支えます。

 

ペシャンコに凹んでいるときに、素敵な男子から励まされたい、と考えている女子ってたくさんいると想像するのですが、その夢をこれでもかと詰め込んだシーンが1巻から19巻まで絶え間なく続きます。そして、《大介》がまた毎回イイことを言うんです。読んでいて、51歳の私でもジーンと胸が熱くなり、

 

「がんばれ、つばさ!」

 

と応援してました。

 

本作を紹介しているブログの中には、「話ができすぎている」と批判的な記事もありましたが、凡人を主人公にした漫画だからこそラストはハッピーエンドにする必要があったと思いました。だって、凡人のラストがハッピーエンドにならないなんてみんなが知っているじゃありませんか。物語の中だけでも夢が必要です。

 

音楽を題材にした漫画を読んでみたいあなた!とりあえず、1巻を買って読みなさい!本作には試す価値があります。