うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

14歳の周波数

吉川トリコ実業之日本社文庫

☆☆☆

具体的な地名は書いていないのだけれど、仙台のような地域で一番大きな街で中学一年生まで暮らし、中学二年生になるタイミングでそこから普通電車で約1時間かかる場所へ引っ越した女子中学生の鮎子が主人公です。

 

東京で暮らしている人には分からないと思うのだけど、仙台のような地方都市というのは、普通電車に乗って1時間もすると田園風景が広がります。

 

14歳の鮎子は田舎で暮らすことが嫌でしょうがないのですが、親の都合で引っ越すことになったので、それに合わせて中学も変わります。転校生として友だち作りを一から始めなければならないのも悩みの一つです。

 

幸福な家庭に育った中学生ならば、学校が世界の全てのように感じられるお年頃です。鮎子は、知り合いが一人もいない学校へ通うことがストレスでたまりません。

 

そんな鮎子が少しずつ転校した学校になじんでいく姿が描かれた物語です。

 

鮎子の家庭は家族円満で何の問題もないので、お話は学校で起こることが中心に書かれています。中学生らしい友情、恋愛が書かれた絵のない少女漫画と思って読み始めれば間違いありません。

 

私が中学生だった1980年代は《ツッパリ》が流行していて、そこら中に教育困難校がある時代でした。私が通った中学校もいじめっ子がいじめられっ子を強く殴りすぎて、肋骨が折れてしまい、救急車がサイレンを鳴らしながらやって来る学校だったので、鮎子の通う平和な学校に憧れを感じました。私もこんな学校に通いたかったです。