うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

古くならないもの 職業について考えた

人生の楽園》という番組が好きで毎週見ています。その日は、ハープ奏者が開業した焼き菓子のお店が紹介されました。

 

主人公は60代の女性です。どんな方かザックリ紹介すると、音大を卒業後にプロのオーケストラにハープ奏者として就職。20代後半で結婚、3人の子供を授かる。40代で旦那さんが病死、そのとき子供は上から高校生、中学生、小学生だった。数か月茫然として過ごすが、食べるために働かなくちゃと奮起して、オーケストラの仕事以外に自宅で教室を開き教え始める。また、外部講師としての職を得て、高校のハープ部の指導もしている。

 

街中で素人相手に音楽を教える先生の中には音楽しか教えられない音楽馬鹿もたくさんいます。そういう教室は流行らないし、生徒が来てもすぐに辞めてしまいます。しかし、この女性は人間的魅力があって、この教室に通い始めた生徒さんたちは長く続ける方が多いようです。10年以上通っている生徒さんが何人もいました。

 

そして、10年以上通い続けた生徒さんたちと主人公の女性が協力しあってお菓子屋さんを開業したのです。

 

この方の人生を見ていて、子供の頃に古くならない技術を身に着けて、それを職業にできれば幸せかもしれないな、と思わされたのです。私は普通に受験勉強して東京都内の三流私立大学に合格し、そこから国家公務員になり20年勤めましたが、現在、お金に換えられるようなスキルは何もありません。

 

どうしてかと言うと、一つは技術の進歩により国の規制も変わるため、仕事のやり方が変わってしまうからと、私の時代は事務所にコンピューターがドンドン入って来てそちらの面でも仕事のやり方が変わったというのが大きいです。だから、常にアップデートしていないとスグに職場で役に立たない人間になります。

 

ところが、ハープを演奏する技術というのは古くなることがありません。イノベーションによって陳腐化する心配がない技術なんです。おそらく、女性の仕事(=指導方法)のやり方は30年前と何も変わってないでしょう。

 

まぁ、人によっては同じことを30年以上続けるなんて無理、と言う人もいるかもしれませんが、組織から弾かれて無職になり粗大ごみのような人間になってしまったわが身からすると、組織に頼らず、自分の腕でお金を稼ぎ、3人のお子さんを自立させ、今はさらにお菓子屋さんという商売まで始められている姿は憧れです。

 

さらに羨ましいと思ったのは、同年代の友だちばかりでなく、若い友だちも持っていることでした。オケは定年退職されているのですが、オケ時代に共演した30歳くらいに見えるピアニストの女性もお菓子屋さんを手伝いに来る日があって楽しそうでした。歳を取ってから、若い人と話す機会があると気持ちが若返るのです。

 

最新技術はスグに時代遅れの技術になります。これから社会に出る若者は、古くならない技術を身に着けて渡世をしてゆくことも選択肢の中に入れておいた方が良いのではないかと思います。