寺地はるな、ポプラ社
☆☆☆
大阪の近郊にあるベッドタウンが舞台になっています。
30分ほどで読むことができる小節ごとに主人公が変わり、どの主人公も人生が思い通りにならないことでストレスを抱えています。
そのことが本の題名にある《夜》を連想させるのですが、物語の中に救いとなる事柄がしのばせてあって、題名の通り、
《夜が暗いとはかぎらない》
となっています。
パッとしない人生を送っている主人公ばかり登場するのですが、読者まで暗い気持ちになってしまう絶望的なお話は一つもありません。ですから、気軽に読み始めて大丈夫です。
「なんで私だけ、こんなについてないんだろう」
とお嘆きの方が、誰もが何かしら抱えて生きているってことを思い出すのに役立ちます。