普段は通らない道なので、今まで気が付かなかったのだけど、2年くらい前にできた近所の高級食パン屋さんがいつの間にか潰れてました。
私はうつ病、無職、無収入なので、毎朝食べている食パンは一斤百円の食パンです。それが、この潰れたお店では一斤千円もしたので、一度も食べたことがありませんでした。いったい、どんな味がしたんだろう・・・。
そして、どんな人がオーナーだったんだろうと思いながら、看板が取り外された空き店舗を眺めてました。
タピオカ屋さん、鶏のから揚げ屋さん、高級食パン屋さん、と次々に開店して、2~3年で閉店していきましたが、そんなお店を始める人は、流行が終わったあとのことを考えたりしなかったのでしょうか?
だいたい、素人がスグに始められる仕事は参入障壁が低いんです。そんな仕事は流行ったら、同業他社が次々にあらわれて、《あっ》と言う間に市場が飽和して価格競争に陥り、そこへ追い打ちのように流行の終焉が訪れて倒産です。こんなことは今に始まったことでなく、昭和のころから繰り返してきたことですから、ある程度年を取った人なら本で勉強しなくとも自然と分かるもんです。
近年、大企業で《働かないおじさん》が問題になり始め、《早期退職優遇制度》という名のもとでリストラを進めています。そんな中高年世代に向けて佐藤優さんが、
「退職してヒマだからなんて理由で起業しないこと。今のご時世、起業して黒字化するにはよほどの才覚が必要です。大事な退職金を失わないように家でゴロゴロしているのが正しい第二の人生の過ごし方です。」
とおっしゃってました。
かつて高級食パン屋さんだった空き店舗を見ながら、
「私は、佐藤優さんの忠告を守って家でゴロゴロしよう!」
とあらためて気を引き締めました。