凪良ゆう、ポプラ社
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賃貸マンションの屋上に神社があり、そこを守る宮司さんが屋上緑化に励んで美しい庭を作りました。そこに通う3人の人生の一コマを物語にした小説です。
3人の物語は別個に語られていますが、3人は顔見知りなので、あるときは主人公、あるときは脇役としてお互いの物語に登場します。
3人は人生の荷物を抱えていて、理想とは違う人生を送っているんですが、ず~っと倒れたままでいることはなく、起き上がって、転んでを繰り返しながら、ままならぬこの世を淡々と生きている普通の人たちです。
興味を持ってもらえるように3人を簡単に紹介しておきますと、
①アラフォー独身女性
②イケメンのゲイ
③うつ病で無職になったアラサー男子
私は、過労から42歳でうつ病になり退職したので、③の人に強い関心を持ちました。③の人も過労が原因でうつ病になるのですが、日本にはこんな人がたくさんいるんでしょうね。ワークライフバランスが叫ばれて久しいですが、いつになったら実現するのやら。。。社畜になるか、無職になるかの選択肢しかない日本は、一度滅んだ方が良いです。
ミラクルが起こって3人がハッピーになったりはしないのですが、3人とも人生に絶望することなく、明日も生きることを選んで終わっているのが良かったです。