うつ病、無職の雑記帳

孤独です。しあわせになりたい。

オンラインサロンにお金を払うことは、ドブにお金を投げるのと同じ

私はうつ病で無職なので現状を変えたいと思っています。

 

でも、それを理由に自己啓発セミナーや有料オンラインサロンに入会したいとは思いません。

 

しかし、こういった詐欺まがいの教室は繁盛しているみたいで、YouTubeなんかでそういった教室の主催者が羽振りの良い生活を披露しているのを見ると、

 

「世の中には詐欺師の養分になるバカがたくさんいるんだな」

 

と思います。

 

本を読んでいたら、本の中の主人公が私と同じように考えていて、うまく文章に落とし込んでくれていたので紹介します。

 

登場人物紹介)
・矢崎莉桜=セミナーの主催者
・伊藤君=将来、何者かになれると夢見る28歳フリーター。
・智美=伊藤君の彼女。デーパートの正社員。

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「一年間、セミナーに通おうと思うんだ。自分をメンタルから変える講座」
「あ、変な宗教とかじゃないよ。メディアにも出ている有名なプロデューサーが見どころのある人材を門下生として育てていく訓練の場なんだ。その教室の力でデビューしたクリエイターが何人もいるんだぜ。すごいんだよ。俺、実はそのプロデューサーと個人的に面識があるんだよな。映画のトークイベントで知り合って、すごい気に入られちゃって。その人を信じてついていけば間違いないって感じなんだ」
智美はあきれて言葉を失う。伊藤君は熱っぽい表情でしゃべり続けている。
青山のカルチャースクール内にあるそのセミナーは、現在八十人が在籍している。つい最近もそこの会員がネットビジネスで成功したこと、月に三万円の会費だということ、夏は軽井沢、冬は京都で強化合宿があること、講師として文化人が招かれ業界に人脈ができていくことなどを、伊藤君は嬉々として語った。智美はいい加減にあいづちを打つ。
矢崎莉桜にしてもそうだが、なんだってフリーの人間が教室だのワークショップだの開くのだろう。智美には不思議でならない。例えば、自分が自由業でそこそこ成功していたら、絶対に技術や秘訣を他人に伝えたくないだろうと思う。企業に属しているわけでも、誰かに守ってもらえるわけでも、何の保証があるわけでもない。一匹狼で戦わねばならない職業なのに、どうして手の内を他人に明かさなければならないのだろう。改めて、伊藤君がひどく不用心で子供じみて見えた。金を払って講座に行けば、有名人と知り合えば、道が開けると思っているのだろうが、もしかして彼は何かを身につけるつもりで、永遠に搾取され続けるのではないだろうか。おそらく、伊藤君が妄信するほどに彼らの本業での稼ぎはないのだろう。講師の仕事や講演会はいい実入りになるのではないか。
少なくとも、自分にそのからくりが透けて見えるのは、アルバイトではなくプロとして働いているからなのだろう。
まるでエスカレーターみたいだと思う。講座でもスクールでもそこに所属してさえいれば、停滞することはないし、どこかいい場所に運ばれているように錯覚できる。だから、伊藤君の「本番」は永遠に始まらない。
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自称成功者のセミナーを受講中のみなさん、エスカレーターに乗せられて、どこかいい場所に運ばれている気になってませんか?運ばれた先が天国だと良いですね。